アバン
上記はTwitterにて転売行為を容認したホビージャパンへの処分についての記事です。
私はまさしく「転売ヤー滅びろ」と思っている側の人間であります。
しかし、Twitterで経済学者の肩書を持つ方が、転売を容認するような発言をしました。
というか最近副業どうの、ノウハウどうのという「教えたがり」な人々をよく目にするのですが、彼らのメインは「せどり」だとか。
せどりってどんな鳥じゃいと思ったのですが、要するに転売らしいですね。
え……転売って犯罪なのに副業になっちゃうんだ……????
カッコイイと思って使っているのかわかりませんが、中には堂々と言葉を濁さず転売をビジネスと言い張る方もいます。
面の皮が厚いなあと思います。
容認する方々の主張
吐き気を催す邪悪なのは万も承知ですが、ひとまずどうして彼らが転売を良しとするのか上っ面だけでも飲み込んでみます。
日本社会では、転売で自由に価格を決めることが犯罪で、メーカーの決めた「定価」を守ることが道徳的なんだね。そういうカルテル体質が日本企業をだめにしたのだが、オタクは知らない。 https://t.co/APj5LDPPcy
— 池田信夫 (@ikedanob) 2021年7月27日
つまるところ問題としているのは「自由な価格変更が出来ない」ということ。
関連ツイート全部引っこ抜いてもしゃーないので(なるべく客観的に)抜粋しますと、
- 車を値切ったことないんですか?
- 再販売価格の拘束は一部の著作物にしか認められていない(=価格操作は不正ではない)
- なぜプラモメーカーは定価販売を重視するのか
- というか定価以外で販売することが悪なのはなぜ?
- 海外では値を吹っかけてくるから価格交渉が当たり前
- ゲーム機もプラモも、海外では自由な価格で売られている
- 人気製品は価格が上がり、その逆は値崩れする
- 価格が変わるから「転売屋」は出てこない
いろいろ見ていくうちに自分の勉強不足がグサグサ刺さって、何言ってんだろこれ……と検索したら昔授業で習ったやつだ!になりました。
つらい。カルテルってやつです。
それはさておき、さすが学者様、凡人には知らない知識をぽんぽこ出してくださる。
まあ討論する気はない(勝てる気がしないから)のですが。
なんだか色々早とちりしてしまいましたが、つまるところ経済学者さんは「価格操作をする=転売屋」という認識があるようです。
個人的にはここで既に認識の齟齬があります。
いや言葉のうちでは間違ってはいないのですが、問題として挙げられている転売ヤーがなんたるかを違った視点で見ている気がしました。
安値で売る転売ヤーは問題視されてないんだよなあ……。
そもそも安値で売る=中古品=自分が使ってもう要らなくなった商品を売るって、本来のフリーマーケットの形そのものなので。
た、たぶん! フリマってそんなもんですよね?
どうぶつの森のフリマではめちゃくちゃ高価格で家具売り付けてましたけど!!!
滅びろ側(十円)の主張
で、まず前提として十円が「転売ヤー」と定義しているのは、
「新製品発売日に店に並んだりして何個も商品を買ってから、後日高価格でそれを販売する人」
です。
ちなみにネットの予約も含みます。
というか目くじら立てる人の多くは定価より高いから問題視している気がするのですけども。
ででで。なんでそれが嫌なのかというと、
「自分が使う予定もないのに、小売店気取ってマージン取ってるのが気持ち悪いし、高価格でフリマアプリで新製品を売り出しているのを見ると自慢にように見えて気色悪いから」
です。
感情的な意見しか言えないのが悲しい……。
ただし、「小売店気取って」の部分は法人化してしまえば「気取り」じゃなくなるんですよね。
ということに気づいてしまって吐きそう。
感情論は武器として弱すぎることを改めて学びました。でも認めたくないよ!
というわけで世間様の主張を借ります。
ライトユーザー参入の経路が絶たれるよ!
本当に買いたい人が購入を諦めてしまうとかあるじゃん!
まあこれも言ってしまえば感情論なんですけども。
冒頭に張り付けた記事からもちょっと引用します。
彼らがなぜ"悪"なのかという根本の問題をもう1度考えてみたい。彼らは「良い商品を届け、さらなる良い商品を届けたい」というメーカーと、「良い商品が欲しい」というユーザーの関係を破壊する存在だからだ。
これも言ってしまえば感情論ではありますが ……。
でも、やっと見つけた新商品に「代わりに買ってやったんだから手数料出せよ」は受け入れがたい。
経済的には誤りかもしれないけど、でも商品買う人みんなが経済学学んでいたわけでもないですし。
統計とってないですけど、日本は転売否定派のほうが多いのではないでしょうか。
それか否定派の声がでかすぎるのか。そうでなければ退職処分なんてしないと思います。
アレッもしかして途中から論点変わってる!?
大目に見てほしいです。
経済が潤ってもコンテンツが死ぬ
見ての通り浅学な十円ですが、件のツイートに関連して「たまごっちの転売」を語る人がちらちら見受けられました。
かつて一度だけ赤いたまごっちを買ったことがあるのですが、正直色々難しかった記憶がよぎります!
とまあ昔の思い出はどうでもいいのです。
ことの概要を説明してくれたツイートを見つけたので張ります。
転売ヤーが原因で大赤字を出したのが「たまごっち」
— らんたん (@lantgic57) 2021年7月27日
ブームで転売ヤーが買いまくって増産したら売れなくなって結局60億円分の在庫処分、163億のバンダイ創業以来最大の赤字を出している。
この事象を知っているのでメーカーは増資したくても出来ない。(特にガンプラを抱えているバンナム) https://t.co/whSXAju5UY
お恥ずかしながらこちら初めて知りました。
こわ……。
一方、こちらはかの経済学者さんのとある主張。
今回のガンプラ騒動の原因は単純。メーカーが出荷を絞るから品不足になって、転売屋がもうかるのだ。バンダイが増産するか値上げすれば、転売屋も出てこない。
— 池田信夫 (@ikedanob) 2021年7月27日
客観的に見ればおそらくこの意見は正しいと思います。
数を渋るから相対的に商品価値が上昇して、いいマーケットじゃんってカモにされる。
でもたまごっちの件を見るからに、転売ヤーが参入することはメーカー側が需要を誤解してしまうことに繋がるってことなんですよね。
ファンがいてこそサブカルが潤うとすれば、サブカル大国日本にとって、誤った需要予測は命取りになるということでしょうか。
まあサブカルコンテンツに限らず、見当違いな需要予測は崩壊を招くものと思いますけども。
ちなみに上記のたまごっち云々話で引用元になっていたツイートです。
某生産者側に近い人が転売ヤーを容認した、という話題で「転売問題とは」が再燃しているようなので・・・。
— NOIR(のあーる)@新人Vtuber【療養ちゅ】 (@NoirAsmr) 2021年7月25日
ちょっとしたパワポ芸でざっくりまとめてみました。
誰か(生産者)が
「良い」
と思って生み出したものが、
「良い」
と評価して買ってくれる誰か(正しい消費者)へ
末永く供給されますように。 pic.twitter.com/pHetzdsL71
なんか前の記事では著作権どうの言ってたくせに平然とツイートを引用しているな……。
次からばしばし貼り付けます。変に慎重になっていたようです。
で、上記のツイートですが、グラフ化されていたのもあってすごくわかりやすかったです。
ブログだと見事にグラフが見えないですが、クリックして見てほしいです。ステマじゃないよ。
高価格の商品を購入できないために、顧客10+転売3くらいだったのが顧客6+転売3、のように変移していくってことですね。
実際、それが明確に数として現れるか分かりませんが、たまごっちの話を見た後だと過去にこのようなことが起こっていたのは事実のようです。
たまごっちの話自体めちゃくちゃ最近でもないとは思いますが、この件で在庫を抱えて赤字を出したくないと保守的になっているメーカーは少なからずいるのではないでしょうか。
だから、転売対策として出荷数を増やすというのは博打に近いことなのかと。
なら価格を上げろ! って話ですが……価格設定はメーカーの良心ではないでしょうか。
というかセミナーとか出来ちゃってるくらい潤っている()バイヤー業界は、元の商品がそれなりにお高くても買うと思うんです。
それこそプレバンとか……。あんな高いのに転売されたら買う気失せるわ……。
敷居上げると顧客と転売のどっちも追い払う羽目になることは明確なので、やはりそれも厳しいと思うんです。
はーーーそう考えるとメーカー側の人ってホント大変なことしてますね。
総括
これまた専門ではないので適当なこと言うんですけど、転売って日本だから流行っているのではないでしょうか、と思ってしまいました。
経済学者さんたちの主張には、しばしば「海外」の事例が挙げられます。
法律違うのでまるっきり同じ土台には並べませんが、比較対象としているのは村八分怖いから謙虚に生きよう精神が染みついている島国日本です。
それこそ海外にはない、独自のサブカルチャーを生み出しているので、似たような商材自体、海外に少ないんじゃないでしょうか。
チケット転売であれば海外の取り組みを真似できるかもしれませんが……嘘です適当なこと言いました真偽不明です。
少なくとも、容認する方々の多くは、メーカーと顧客を含めた総括的なお金の流れを見ていて、
否定する我々の多くは1コンテンツ内でやりとりされるお金の流れを見ている、という違いがある気がします。
そういった面では肯定派否定派の論争は、まさしくそれぞれがお門違いな意見をぶつけ合ってることは明白です。
探せばいるのかもしれませんが、ディープなオタクの経済学者さんがいたらどちら側の主張に重きを置くのか聞いてみたいですね。
過去に経済学のニッチなジャンルを齧っただけで、ミリも世の金の流れを理解できていない十円ですが、やっぱり1オタクとしては財布に負担がかからない程度に、コンテンツを直に支えたいなと思うわけです。
なんだかアニメーターの方に差し入れしようとしてうまくいっていない話みたいですね。
仮に転売ヤーを通したとしてもメーカー側に金は入っていると思うのですが、彼らは他に潤うマーケットを見つけたらさっさと離れてしまう淡い存在です。
縋ってなんかいられないじゃないですか。
オタクだって、別コンテンツにハマったら既存コンテンツから目を離すだろ~という意見もあるかもしれないですが、まあ……それは、まあ仕方ないじゃん! になるんで、強くは言えないですけど。
でも! 信用できない顧客のせいで市場が潤っている錯覚を見て、メーカーが赤字を出すのは嫌です!
だから自分は「転売ヤー滅びろ」と言い続けます。
最終的には感情論になってしまいました。これが元鞘ってやつですね。多分違う。
大丈夫です、戦っても勝てないので……これはチラ裏の罵詈雑言なので……。
なにか物申したい方がいてもチキンは前に出ませんので、よそでやってください……。
みんな違ってみんないいかもしれないけど、私は嫌だ! という話でした。
金子みすゞdisってないよ!
以上!